「なんか刺さらない…」を解決。読者の心を鷲掴みにする、たったひとつの文章術|成果を上げる文章術05

今回は、「成果を上げるWebライティング」のVol.5です。

「この記事、私のことだ…!」

思わずそう感じて、一気にブログ記事を読み込んでしまった経験ありませんか? まるで自分のためだけに書かれたような文章に出会うと、僕たちは心を動かされ、その書き手のファンになってしまいます。

これこそが、Webライティングにおける最強のテクニックだと僕は感じています。

「不特定多数」に向けて書くのではなく、たった一人の「あなた」に向けて書くこと。この意識を持つだけで、ブログの文章は驚くほど熱量を帯び、読者の心に深く突き刺さるようになるんです。

今日は、僕がブログを書くときに常に心に置いている、「たった一人」に届ける文章術について、その具体的な方法と効果をお話ししたいと思います。

この記事でわかること

  • なぜ「万人受け」を狙うと、誰にも響かない文章になるのか
  • 読者が「これ、私のことだ!」と感じる文章を書くための具体的なステップ
  • 「たった一人」を意識することで、結果的に多くの人に届く理由

「皆さん、こんにちは!」が、誰にも届かない理由

いや、実は今でもやっちゃうんですけどね。僕は。
「読者の皆さんへ」「多くの人に役立つように」と、できるだけ多くの人に受け入れられようと、当たり障りのない一般的な言葉を選んで文章を書いてしまうんです。

でも、その結果できあがったのは、誰のものでもない味気ない文章でした。

まるで、街の定食屋さんが「万人受けするはず!」と、スパイスの効いていない、ぼんやりした味のカレーを出しているようなもの。誰からも嫌われはしないけど、誰からも「ここのカレーが食べたい!」と熱烈に愛されることもないんですよね。

Web上には情報が溢れかえっています。
そんな中でありきたりな言葉で「皆さん」と呼びかけても、読者は「これは自分に向けられたメッセージだ」とは感じてくれません。それどころか興味を示すことなく、自分に関係のない情報だと判断し、一瞬で検索結果の彼方へ消えていくだけなんです。

「あなた」を見つける、ペルソナ設定という魔法

ペルソナの設定

では、どうすれば「たった一人」に届けられるのか? その答えが、「ペルソナ」を設定することです。

ペルソナとは、あなたがこの記事を届けたい、たった一人の理想の読者像のこと。年齢、性別、職業、趣味、そして「どんな悩みを抱えているか」まで、できるだけ具体的に想像上の人物を作り上げるんです。

例えば、僕が「AI英会話レッスンのすすめ」という記事を書くなら、こんなペルソナを思い浮かべます。

  • 名前: 達也さん
  • 年齢: 32歳、ITエンジニア
  • 悩み: 「仕事で英語のドキュメントを読む機会は増えたけど、話すのは苦手。英会話スクールに通ったこともあるけど、グループレッスンで萎縮してしまい、続かなかった。もっと気軽に、自分のペースでスピーキング練習がしたい…」

どうでしょう? この「達也さん」という一人の人物像が見えた瞬間に、僕が書くべき内容が、一気に具体的になってきませんか?

一人に向けて、手紙を書くように

ペルソナが決まったら、あとは簡単です。その「達也さん」というたった一人に向けて、手紙を書くような気持ちで、語りかけるように文章を綴っていくだけ。

皆さん、英語学習は大変ですよね」というぼんやりした呼びかけは、
達也さん、分かりますよ。英会話スクールで周りの目が気になって、言いたいことが言えなくなる、あの感じ…

という、共感のこもったメッセージに変わります。

このツールは便利です」という客観的な説明は、
これなら、達也さんが苦手だったグループレッスンのプレッシャーを感じずに、好きなだけ練習できますよ!

という、具体的な解決策の提案に変わります。

主語が「皆さん」から「あなた(達也さん)」に変わるだけで、文章に血が通い始め、読者は「そうそう、それが読みたかったんだ!」「この人、私の気持ちを分かってくれる!」と感じてくれるようになるのです。

一人に届けば、多くの人に届く

「でも、たった一人に向けて書いたら、他の人には読んでもらえないんじゃない?」

そう思うかもしれません。でも、不思議なことに、現実はその逆なんです。

一つの悩みを深く、具体的に掘り下げて書かれた文章は、同じような悩みを抱える他の多くの人々の心にも、深く突き刺さります。「達也さん」のために書いた記事は、同じように英会話に挫折した経験を持つ、たくさんの「達也さん予備軍」に届くのです。

ぼんやりと100人に語りかけるよりも、たった一人に熱烈に語りかける方が、結果として多くの人の心を動かすことができる。これが、Webライティングの面白いところであり、奥深いところだと僕は思います。

もし、あなたの文章が「なんだか刺さらないな」と感じているなら、ぜひ次に書く記事で試してみてください。たった一人の「あなた」を思い浮かべて、その人だけに向けた手紙を、心を込めて書いてみる。きっと、画面の向こう側にいる読者の反応が、今までとは全く違うものになるはずですよ。

おすすめ書籍

GIFTの法則 たった1人に伝わると大勢が感動する』平野秀典 著
「たった一人」に届けることの重要性と、その効果が多くの人に波及する「GIFTの法則」という仕組みを解説しています。感動や共感を呼ぶ文章やコミュニケーション術の実践的な指南書です。僕は読んだ時に今までの考え方を変えるきっかけになった本です。

20歳の自分に受けさせたい文章講義』古賀史健 著
書店で平積みなっているのをよく見かけましたが、読んでみて売れている理由がわかりました。誰のために書くのかを明確にする大切さを説き、「たった一人」を意識した文章がいかに伝わるかを具体的に学べる一冊。話せるけど書けないという人に最良の指南書です。

コピーライティング技術大全──百年売れ続ける言葉の原則』神田昌典・衣田順一 著
繰り返し何度も読んだ本です。ペルソナ設定の技術や、話しかけるように書く文章術を体系的に解説。ターゲットの中から特定の一人を選ぶことでリアリティと説得力を高める方法が学べます。

伝わっているか?』小西利行 著
『伝わる文章を書くための本3選』のうち『伝わっているか?』を推薦。「伝わる」言葉を初心者にも優しく、相手を想像して一人に向けた文章を書くコツや共有感を育てる書き方が紹介されています。

プロの代筆屋による心を動かす魔法の文章術[増補改訂版]』中島泰成 著
「自分の想いを文章にして、相手の心を動かせたなら、どんなにワクワクすることでしょう。」と紹介されているほど、人の心を動かす文章術の実践例。あなたのためだけに書いていると思わせるフレーズやテクニックを多数紹介。ラブレターからビジネス文書まで幅広く応用可能。

センパイセンパイ

どの本も文章力アップの勉強になります。

この記事は X(旧Twitter) で投稿した【成果を上げる文章術】を記事にしたものです。

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