
「この記事、すごく頑張って書いたのに、なぜか反応が薄い…」
「伝えたいことが、読者にちゃんと届いていない気がする…」
そんな風に感じたことはありませんか?
読者にそう思われたら、書き手としては悲しいですよね。一生懸命書いた文章が意図した通りに伝わらない。
僕も、自分の書きたいことを書き連ねた結果、「ここはどういう意味だ?」と読者を混乱させてしまうことがよくあります。そうしたことのないように、日々どうすればもっと分かりやすく、もっと魅力的な文章が書けるかと頭を悩ませています。
読者に意図したことがうまく伝わらずに、混乱や誤解を与えてしまうその原因、もしかしたら文章のテクニックではなく、もっと基本的な 「言葉の並べ方(語順)」にあるのかもしれません。
今回は、SEOやセールスライティングといった専門的な話の手前にある、いわば 文章の「骨格」とも言える超重要なポイントについて、新しい例を交えながら語りたいと思います。
これ、意外と見落としがちですが、めちゃくちゃ重要なんです。プロのライターでも意識しないと崩れてしまうことがある、まさに「基本にして奥義」なんです。
この記事を読めば、文章はもっと論理的で、もっと正確に、読者の心にスッと届くようになるはずです。
この記事でわかること
- 読者を混乱させる「長すぎる一文」の危険性
- 主語と述語を近づけるだけで、文章が驚くほどクリアになる具体例
- たった一言の位置で、全く別の意味に変わってしまう「修飾語」の怖さ
- 今日から実践できる、誤解ゼロの文章作成術
X(旧Twitter)に投稿した【成果を上げる文章術】シリーズを記事化
「何を書けばいいか分からない…」そんな悩みから解放される、具体的な文章力トレーニング方法をご紹介。レビュー記事の書き方から、誰でも傑作が書ける3ステップまで。あなたの文章を劇的に変えるヒントがここに。
1. 結論が遠い!「主語」と「述語」の長距離恋愛が引き起こす悲劇
文章の基本は、「誰が(何が)」にあたる 主語 と、「どうした(どんなだ)」にあたる 述語 です。この2つの関係が、文章の分かりやすさを決めると言っても過言ではありません。
そして、鉄則は 「主語と述語を、できるだけ近くに置く」こと。
この2つが離れれば離れるほど、文章は分かりにくくなります。
少し長い文章を書こうとすると、僕たちは無意識のうちにこの2つを引き離してしまうことがあるんです。伝えたいことがたくさんある時に、これが起きやすいんですよね。
例えば、職場のこんな一コマ。
良くない例:
私の先輩は、昨日クライアントから急な仕様変更の連絡があったため、本来予定していたタスクをすべて中断し、関係各所への影響範囲の確認や代替案の検討に奔走し、深夜までオフィスで残業して、心身ともに疲れ果てていました。
…お疲れ様ですっ!と言いたくなりますが、文章としてはどうでしょう。
主語である「私の先輩は」に対して、述語の「疲れ果てていました」が、あまりにも遠すぎますよね。読者は、長い説明を読み終えるまで、「で、先輩がどうしたの?」と宙ぶらりんな状態に置かれてしまいます。
では、これを改善してみましょう。主語と述語を近づけることを意識するだけです。
良い例:
私の先輩は、心身ともに疲れ果てていました。というのも昨日、クライアントから急な仕様変更の連絡が入り、深夜まで残業して対応に追われていたからです。関係各所への調整は、本当に大変そうでした。
いかがですか?
「先輩は、疲れ果てていた」という結論が最初に示されることで、読者はまず状況を把握できます。その上で、「なぜなら~」と理由を説明することで、話がスッと頭に入ってきますよね。
情報をたくさん盛り込みたい気持ちは、書き手なら誰にでもあります。でも、それが一文の中で渋滞を起こしてしまうと、読者の理解を妨げる原因になってしまうんです。
「一文一義(いちぶんいちぎ)」、つまり「ひとつの文には、ひとつの情報だけを込める」ように、一文を短くすることを意識してみてください。
伝えたいことが複数あるなら、焦らずに文を分けましょう。その方が、結果的に読者にとっては親切で、分かりやすい文章になるんです。それだけで、あなたの文章は劇的に読みやすくなります。
2. 意味が変わっちゃう!「修飾語」の置き場所という地雷
主語と述語の問題と同じくらい、深刻な誤解を生む可能性があるのが 「修飾語」の位置です。
修飾語とは、「どんな」や「どのように」といった、他の言葉を詳しく説明する役割を持つ言葉のこと。この修飾語が、どの言葉にかかっているのかが曖昧だと、文章は全く違う意味を持ってしまいます。
例えば、こんな一文。
優しい彼の言葉が、今でも忘れられない。
さて、あなたはこの文章を読んで、何を想像しましたか?
この文章、実は2通りの解釈ができてしまうんです。
解釈A:「優しい彼」が言った(どんな内容かは分からない)言葉
解釈B:彼が言ってくれた「優しい内容の」言葉
「優しい」のは、「彼」という人物そのものなのか、それとも彼が発した「言葉」の内容なのか。この文脈だけでは、どちらとも取れてしまいますよね。
恋愛小説なら、この曖昧さが逆にエモい…なんてこともあるかもしれませんが、ビジネス文書や製品説明でこれをやったら大問題です。
この曖昧さをなくすためには、修飾語を、説明したい言葉(被修飾語)のすぐ隣に置くことが絶対のルールです。
「優しい彼」を明確にしたい場合:
優しい人である彼 の言葉が、今でも忘れられない。
「優しい言葉」を明確にしたい場合:
彼がかけてくれた、優しい言葉 が今でも忘れられない。
少し表現を変えるだけで、意味がクリアになりましたよね。
このように、少し言葉を補ったり、語順を入れ替えたりするだけで、誤解の余地はなくなります。
文章を書くときは、常に「この言葉は、どの言葉を説明しているんだっけ?」と自問自答する癖をつけるのがおすすめです。そして、その2つをできるだけ近づけてあげる。それが、誤解されないライティングへの第一歩です。
3. なぜ、Webライティングで「語順」が超重要なのか
ここまで、基本的な文章術についてお話ししてきました。「学校の国語の授業みたいだな」と感じましたか?その通りです。でも、この国語の基本がとても重要なんです。
「でも、これってWebライティングと関係あるの?」と思うかもしれません。
大アリです。いや、むしろWebの世界だからこそ、この「一瞬で理解できる分かりやすさ」が生命線になると僕は考えています。
なぜなら、Webの読者は基本的に「せっかち」だからです。
紙の書籍のように、じっくり腰を据えて読む人は稀です。ほとんどの読者は、スマホを片手に流し読みで自分に必要な情報だけを探しています。僕もそうだし、きっとあなたもそうですよね?
一字一句、集中して読んでくれる読者は、ほとんどいません。みんな、猛スピードでスクロールしながら、自分にとって有益な情報だけを拾い読みしているんです。
そんな状況で、少しでも「ん?これどういう意味だ?」と立ち止まらせてしまったら、どうなるでしょう。
答えは簡単。読者は、考えるのが面倒になった瞬間に、あなたの記事から去っていきます。
僕たちブロガーの仕事は「人に伝える」ことです。
わかりやすい文章こそが、Webライティングの世界では、読者の満足度やサイトの評価に直結する、めちゃくちゃ重要な要素になるんです。
だからこそ、
- 主語と述語を近づけ、ストレスなく読める文章を。
- 修飾語の位置に気を配り、一瞬で意味が伝わる文章を。
この2つが、Webライティングにおいて、SEOテクニックと同じくらい、いや、それ以上に重要になってくるんです。
どんなに有益な情報が書かれていても、伝わらなければ意味がありません。読者の脳に負担をかけない、スッと染み込むような文章こそが、最後まで読んでもらえる文章であり、結果的に読者の満足度を高めることにつながるのです。
まとめ:伝わる文章は「思いやり」。語順を見直して、読者に優しい記事を書こう。
今回は、Webライティングの番外編として、新しい例を使いながら、文章の基本である「語順」について深掘りしてみました。
- 悲劇を避けるために、主語と述語は引き離さない!
- 誤解させないために、修飾語は説明したい言葉の隣に!
この2つは、テクニックというよりは、読者に対する「思いやり」に近いものだと僕は思います。
書きたいことが溢れるのは、素晴らしいことです。でも、その情報をどういう順番で、どういう言葉で並べれば、相手が一番理解しやすいか。その視点を持つことが、ライターとして成長するための鍵になります。
あなたのその情熱や知識を、正しい形で読者に届けるために。
ぜひ今日から、文章の「語順」を意識してみてください。きっと、あなたの記事はもっと多くの人に、もっと深く届くようになるはずです。
関連書籍の紹介
僕も、ついつい熱がこもって一文が長くなってしまったり、修飾語の位置が曖昧になってしまったりすることがあります。そんな時は、一度立ち止まって、この記事で紹介した基本に立ち返るようにしています。
文章の「骨格」とも言える、主語・述語・修飾語の関係。この骨格がしっかりしていれば、文章は自然と安定し、読者に安心感を与えます。そうした技術をもっと詳しく学べる書籍を紹介します。
文章術・ライティングの基本
『新しい文章力の教室 苦手を得意に変えるナタリー式トレーニング』
一文一義の重要性や構成の作り方を実践的に学べます。読者が「知りたい」を見つけやすくするための情報整理、迷わない記事構成の実践法も。
『「文章術のベストセラー100冊」のポイントを1冊にまとめてみた。』
(藤吉豊・小川真理子)
100冊の名著から様々な文章術の要点がまとめられており、語順の重要性についても触れています
『理科系の作文技術』
論理的で分かりやすい文章の書き方の古典的名著
『まんがでわかる 理科系の作文技術』
100万部越えを果たした大ベストセラーの新書『理科系の作文技術』が、ついにまんが化!まんがを読むだけで、名著『理科系の作文技術』のエッセンスが身につきます。
Webライティング特化
『沈黙のWebライティング —Webマーケッター ボーンの激闘—』
人気の定番。SEOとユーザビリティを両立したWebライティングの決定版。読者目線での構成やWeb記事について豊富に解説。実践例も多く、体系的に学びたい人へ。
オンラインサービス
このブログではテレワークやパソコンを使って自宅で仕事をするために役立つ小ネタを多数紹介しています。Twitterでも情報発信していますので、今回の記事が役立ったよ!と思ったらTwitterでいいね&フォローお願いします!
Twitter: @tele_commuter