なぜか伝わらない…その文章、「語順」が原因かも。分かりやすく論理的な文章作成にはコツがある

「この記事、すごく頑張って書いたのに、なぜか反応が薄い…」
「伝えたいことが、読者にちゃんと届いていない気がする…」

そんな風に感じたことはありませんか?

読者にそう思われたら、書き手としては悲しいですよね。一生懸命書いた文章が意図した通りに伝わらない。

僕も、自分の書きたいことを書き連ねた結果、「ここはどういう意味だ?」と読者を混乱させてしまうことがよくあります。そうしたことのないように、日々どうすればもっと分かりやすく、もっと魅力的な文章が書けるかと頭を悩ませています。

読者に意図したことがうまく伝わらずに、混乱や誤解を与えてしまうその原因、もしかしたら文章のテクニックではなく、もっと基本的な 「言葉の並べ方(語順)」にあるのかもしれません。

今回は、SEOやセールスライティングといった専門的な話の手前にある、いわば 文章の「骨格」とも言える超重要なポイントについて、新しい例を交えながら語りたいと思います。

これ、意外と見落としがちですが、めちゃくちゃ重要なんです。プロのライターでも意識しないと崩れてしまうことがある、まさに「基本にして奥義」なんです。

この記事を読めば、文章はもっと論理的で、もっと正確に、読者の心にスッと届くようになるはずです。

この記事でわかること

  • 読者を混乱させる「長すぎる一文」の危険性
  • 主語と述語を近づけるだけで、文章が驚くほどクリアになる具体例
  • たった一言の位置で、全く別の意味に変わってしまう「修飾語」の怖さ
  • 今日から実践できる、誤解ゼロの文章作成術



1. 結論が遠い!「主語」と「述語」の長距離恋愛が引き起こす悲劇

文章の基本は、「誰が(何が)」にあたる 主語 と、「どうした(どんなだ)」にあたる 述語 です。この2つの関係が、文章の分かりやすさを決めると言っても過言ではありません。

そして、鉄則は 「主語と述語を、できるだけ近くに置く」こと。
この2つが離れれば離れるほど、文章は分かりにくくなります。

少し長い文章を書こうとすると、僕たちは無意識のうちにこの2つを引き離してしまうことがあるんです。伝えたいことがたくさんある時に、これが起きやすいんですよね。

例えば、職場のこんな一コマ。

良くない例:

私の先輩は、昨日クライアントから急な仕様変更の連絡があったため、本来予定していたタスクをすべて中断し、関係各所への影響範囲の確認や代替案の検討に奔走し、深夜までオフィスで残業して、心身ともに疲れ果てていました。

…お疲れ様ですっ!と言いたくなりますが、文章としてはどうでしょう。

主語である「私の先輩は」に対して、述語の「疲れ果てていました」が、あまりにも遠すぎますよね。読者は、長い説明を読み終えるまで、「で、先輩がどうしたの?」と宙ぶらりんな状態に置かれてしまいます。

では、これを改善してみましょう。主語と述語を近づけることを意識するだけです。

良い例:

私の先輩は、心身ともに疲れ果てていました。というのも昨日、クライアントから急な仕様変更の連絡が入り、深夜まで残業して対応に追われていたからです。関係各所への調整は、本当に大変そうでした。

いかがですか?
「先輩は、疲れ果てていた」という結論が最初に示されることで、読者はまず状況を把握できます。その上で、「なぜなら~」と理由を説明することで、話がスッと頭に入ってきますよね。

情報をたくさん盛り込みたい気持ちは、書き手なら誰にでもあります。でも、それが一文の中で渋滞を起こしてしまうと、読者の理解を妨げる原因になってしまうんです。

「一文一義(いちぶんいちぎ)」、つまり「ひとつの文には、ひとつの情報だけを込める」ように、一文を短くすることを意識してみてください。

伝えたいことが複数あるなら、焦らずに文を分けましょう。その方が、結果的に読者にとっては親切で、分かりやすい文章になるんです。それだけで、あなたの文章は劇的に読みやすくなります。

2. 意味が変わっちゃう!「修飾語」の置き場所という地雷

主語と述語の問題と同じくらい、深刻な誤解を生む可能性があるのが 「修飾語」の位置です。

修飾語とは、「どんな」や「どのように」といった、他の言葉を詳しく説明する役割を持つ言葉のこと。この修飾語が、どの言葉にかかっているのかが曖昧だと、文章は全く違う意味を持ってしまいます。

例えば、こんな一文。

優しい彼の言葉が、今でも忘れられない。

さて、あなたはこの文章を読んで、何を想像しましたか?

この文章、実は2通りの解釈ができてしまうんです。

解釈A:「優しい彼」が言った(どんな内容かは分からない)言葉
解釈B:彼が言ってくれた「優しい内容の」言葉

「優しい」のは、「彼」という人物そのものなのか、それとも彼が発した「言葉」の内容なのか。この文脈だけでは、どちらとも取れてしまいますよね。

恋愛小説なら、この曖昧さが逆にエモい…なんてこともあるかもしれませんが、ビジネス文書や製品説明でこれをやったら大問題です。

この曖昧さをなくすためには、修飾語を、説明したい言葉(被修飾語)のすぐ隣に置くことが絶対のルールです。

「優しい彼」を明確にしたい場合:

優しい人である彼 の言葉が、今でも忘れられない。

「優しい言葉」を明確にしたい場合:

彼がかけてくれた、優しい言葉 が今でも忘れられない。

少し表現を変えるだけで、意味がクリアになりましたよね。

このように、少し言葉を補ったり、語順を入れ替えたりするだけで、誤解の余地はなくなります。

文章を書くときは、常に「この言葉は、どの言葉を説明しているんだっけ?」と自問自答する癖をつけるのがおすすめです。そして、その2つをできるだけ近づけてあげる。それが、誤解されないライティングへの第一歩です。

3. なぜ、Webライティングで「語順」が超重要なのか

ここまで、基本的な文章術についてお話ししてきました。「学校の国語の授業みたいだな」と感じましたか?その通りです。でも、この国語の基本がとても重要なんです。

「でも、これってWebライティングと関係あるの?」と思うかもしれません。

大アリです。いや、むしろWebの世界だからこそ、この「一瞬で理解できる分かりやすさ」が生命線になると僕は考えています。

なぜなら、Webの読者は基本的に「せっかち」だからです。
紙の書籍のように、じっくり腰を据えて読む人は稀です。ほとんどの読者は、スマホを片手に流し読みで自分に必要な情報だけを探しています。僕もそうだし、きっとあなたもそうですよね?

一字一句、集中して読んでくれる読者は、ほとんどいません。みんな、猛スピードでスクロールしながら、自分にとって有益な情報だけを拾い読みしているんです。

そんな状況で、少しでも「ん?これどういう意味だ?」と立ち止まらせてしまったら、どうなるでしょう。

答えは簡単。読者は、考えるのが面倒になった瞬間に、あなたの記事から去っていきます。

僕たちブロガーの仕事は「人に伝える」ことです。
わかりやすい文章こそが、Webライティングの世界では、読者の満足度やサイトの評価に直結する、めちゃくちゃ重要な要素になるんです。

だからこそ、

  • 主語と述語を近づけ、ストレスなく読める文章を。
  • 修飾語の位置に気を配り、一瞬で意味が伝わる文章を。

この2つが、Webライティングにおいて、SEOテクニックと同じくらい、いや、それ以上に重要になってくるんです。

どんなに有益な情報が書かれていても、伝わらなければ意味がありません。読者の脳に負担をかけない、スッと染み込むような文章こそが、最後まで読んでもらえる文章であり、結果的に読者の満足度を高めることにつながるのです。

まとめ:伝わる文章は「思いやり」。語順を見直して、読者に優しい記事を書こう。

今回は、Webライティングの番外編として、新しい例を使いながら、文章の基本である「語順」について深掘りしてみました。

  • 悲劇を避けるために、主語と述語は引き離さない!
  • 誤解させないために、修飾語は説明したい言葉の隣に!

この2つは、テクニックというよりは、読者に対する「思いやり」に近いものだと僕は思います。

書きたいことが溢れるのは、素晴らしいことです。でも、その情報をどういう順番で、どういう言葉で並べれば、相手が一番理解しやすいか。その視点を持つことが、ライターとして成長するための鍵になります。

あなたのその情熱や知識を、正しい形で読者に届けるために。
ぜひ今日から、文章の「語順」を意識してみてください。きっと、あなたの記事はもっと多くの人に、もっと深く届くようになるはずです。

関連書籍の紹介

僕も、ついつい熱がこもって一文が長くなってしまったり、修飾語の位置が曖昧になってしまったりすることがあります。そんな時は、一度立ち止まって、この記事で紹介した基本に立ち返るようにしています。

文章の「骨格」とも言える、主語・述語・修飾語の関係。この骨格がしっかりしていれば、文章は自然と安定し、読者に安心感を与えます。そうした技術をもっと詳しく学べる書籍を紹介します。

文章術・ライティングの基本

『新しい文章力の教室 苦手を得意に変えるナタリー式トレーニング』
一文一義の重要性や構成の作り方を実践的に学べます。読者が「知りたい」を見つけやすくするための情報整理、迷わない記事構成の実践法も。

『「文章術のベストセラー100冊」のポイントを1冊にまとめてみた。』
(藤吉豊・小川真理子)
100冊の名著から様々な文章術の要点がまとめられており、語順の重要性についても触れています

『理科系の作文技術』 
論理的で分かりやすい文章の書き方の古典的名著

『まんがでわかる 理科系の作文技術』
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