「AIは関係ない」と思っていた僕が、なぜ今「全員必須スキルだ」と確信するのか?

「AI って、なんだか難しそう…」
「一部の専門家やクリエイターが使うもので、自分には関係ない世界の話でしょ?」

その気持ち、めちゃくちゃ分かります。僕自身もほんの数年前までそう思っていましたから。

スマートスピーカーが鳴り物入りで登場した時も、すぐに飛びついて買ってみたものの、結局、天気予報を聞くくらいで、すぐにホコリをかぶってしまいました。Siri や Google アシスタントも同じです。目新しさから最初こそ使ってみたものの、まともに会話が成り立たない。「AI って、所詮こんなものか」と、どこか冷めた目で見ていたんです。

でも、もし今、当時の僕と同じように感じているなら…、この記事で伝えたいことがあります。

なぜなら、今の AI をめぐる状況は、10〜20 年前の「あの転換期」にとてもよく似ていると、僕には感じられるからです。

この記事は、かつて AI にまったく期待していなかった僕が、なぜ今「AI は全員が使うべき必須スキルだ」と確信するに至ったのか、その理由と具体的な体験談をお伝えするものです。

この記事を読み終える頃には、AI に対する見方が変わり、「ちょっと触ってみようかな」という気持ちが芽生えてくるかもしれません。

この記事でわかること

  • なぜ今、AI が「メールや PC と同じくらい当たり前」のスキルだと言えるのか
  • 僕が AI を「おもちゃ」から「最強の相棒」だと認識し直した衝撃の体験
  • 価値観が激変した「本物の AI」との出会い
  • 初心者でも今日から始められる具体的な AI ツールと活用術

僕が AI を「使えないポンコツ」だと勘違いしていた頃

2010 年代後半、世はまさに「スマートスピーカー戦国時代」。僕も例に漏れず、新しいもの好きとして早速 Amazon Echo や Google Home を家に迎え入れました。「アレクサ、電気つけて」「OK Google, 今日の天気は?」なんて、SF 映画みたいな未来が来たと最初は興奮したものです。

でも、その興奮は長くは続きませんでした。

「今日のオススメの曲をかけて」と頼めば、いつも同じような曲ばかり。「おもしろい話をして」と無茶振りすれば、ネットで調べたような薄いジョークが返ってくる。だんだんと、スマートスピーカーはただの「声で操作できる時計付きスピーカー」になっていきました。

Siri や Google アシスタントも同様でしたね。スマホに向かって話しかけるのが気恥ずかしいのもあって、結局使うのはカップラーメン作る時のタイマーをセットするときくらい。

BMW の車に搭載されている音声アシスタントも、運転中にハンズフリーで操作できるのは便利ですが、こちらの意図を正確に汲み取ってくれることは稀で、「もういいや」と結局自分で操作してしまうことがほとんど。

AI とは、決められた質問に、決められた答えを返すだけのお利口なプログラム。それが、僕の正直な AI に対する評価でした。

しかし、2023 年頃から、その価値観は大きく覆されることになります。

価値観が壊された「本当の生成 AI」との出会い

転換点は、ChatGPT、そして Google の Gemini(当時は Bard) といった「生成 AI」の登場でした。

「ブログ記事のアイデアを 10 個出して」
「この文章を、もっと読者がワクワクするような表現に書き換えて」
「この機能を実現するための Python コードを書いて」

僕が投げかけた曖昧な言葉を、AI は驚くほど的確に理解し、人間が書いたとしか思えない、質の高いアウトプットを次々と生み出してくれる。

「うわー…なんだこれ…」

衝撃でした。今まで僕が「AI」だと思っていたものとは、次元やレベルがまったく違いました。これは「命令に答える」だけのプログラムじゃない。「理解」して「創造」してると。

そこから僕は、Midjourney(画像)や、Suno(音楽)、Claude(文章)、NoteBookLM(辞書)、Perplexity(検索)といった、さまざまな AI にどっぷりとハマっていきました。

気づけば僕は、かつてスマートスピーカーに感じていた「使い道がわからない」という悩みとは無縁になっていました。むしろ、「時間が足りない!もっと AI と遊びたい!もっと作りたい!」という、ポジティブな欲求に満ち溢れていたんです。

そして何よりすごいのが、これらの AI は 「遊んでいるだけで、収益化できるかもしれない生成物が生まれる」 という点です。

ブログ記事の構成案、SNS 投稿の文章、プレゼン資料のデザイン、Web サイトのコード、果ては作曲まで。これらが、専門知識がなくても、アイデアと AI との対話だけで形になっていく。

このすごさ、この興奮を、まだ体験していない人がいるなんてもったいなさすぎる!僕は本気でそう思っています。

15 年前、「インターネットはマニアが使うもの」という時代があった

少し昔話をさせてください。

2000 年代。世の中では急速にインターネットと E メールが普及し始めていました。今では信じられないかもしれませんが、当時はまだパソコンが苦手でメールを使えないという中高年の上司がゴロゴロいたんです。

「おい、すまんが、この手紙をメールでこの人に送っといてくれんか」

手書きのメモを渡され、若手社員が上司になりすましてメールを送る。そんな光景が日常的に繰り広げられていました。

彼らは、新しい技術の登場に戸惑い、変化を拒み、結果として時代の流れから取り残されていきました。

それだけじゃない。昭和を生きてきた僕は、ポケベルという文化が終わって PHS に移り変わる時にも「電話機持って歩いてどうするんだよ。そんなに電話する用事があるのか?お大尽か」とか、PHS からガラケーになる時も、ガラケーからスマホになる時も「携帯電話でネット見てどうするんだ?ウケる~」とか本気で言う人をこの目で数多く見てきました。

「パソコンなんて、一部の詳しい人か仕事で使うものでしょ」
「インターネットはなんだか怖い」
「メール?手紙か電話で十分だよ」

そんな声が、まだ当たり前に聞こえてきた時代でした。今だから違和感を覚えるのかもしれませんが、当時は多くの人にとって、それが当たり前の感覚だったと思います。

では、現代はどうでしょう。パソコンやスマホなしの生活なんて、もはや想像できませんよね。メールや LINE での連絡は当たり前。インターネットで情報を調べ、動画を観て、買い物をするのが日常です。

かつて「一部の人の特別なツール」だったものは、この 15 年で、誰もが使いこなす 「社会のインフラ」へと変わったのです。

僕が今、AI に感じているのは、まさにこの変化の始まりの匂いです。

15 年前、「パソコンなんていらない」と言っていた人が、今どうしているか。おそらく、時流に追いつこうと必死で使い方を覚えたのではないでしょうか?あるいは時代の変化から取り残されてしまったかもしれません。

歴史は繰り返します。15 年後の 2040 年、AI を使いこなすことは、現代の我々がスマホを使いこなすのと同じくらい「当たり前」のスキルになっていると、僕は確信しています。

もう数年もすれば、生まれた時からAIとともに育ってきた子供たちが、ネットで活躍する時代になるはずです。

「AI に仕事を指示する」「AI と一緒にアイデアを練る」「AI に単純作業を任せる」。これが、あらゆる仕事のスタンダードになる。その時、「AI は難しそうだから」と避けてきた人は、一体どうなってしまうのか。そう考えると、少し怖くなりませんか?

でも、大丈夫。今なら、まだ全然間に合います。なぜなら、この革命はまだ始まったばかりなのですから。

AI は「仕事を奪う」のではなく「仕事のやり方を変える」インフラである

「AI に仕事が奪われる」

そんなディストピアな未来を語る声もよく耳にします。確かにそうした不安はあるでしょう。でも、僕は全く逆のことを感じています。

AI は、僕たちの仕事を奪う敵ではありません。それは、電気や水道、インターネットと同じ 「社会インフラ」です。

インターネットが登場した時、「電話交換手の仕事がなくなる!」と叫ばれました。しかし実際には、E コマース、SNS マーケター、Web デザイナーといった、それまで存在しなかった新しい仕事が爆発的に生まれ、社会はより豊かになりました。

AI も全く同じなんじゃないかと思うんです。AI の登場によって縮小してしまう職種もあるかもしれません。しかし、それ以上に、AI を「使いこなす」ことで生まれる新しい価値や、新しい職業が、これからどんどん増えていくはずです。

事実わかりやすいところでいえば、AI に指示を与える「プロンプトエンジニア」という職業も出始めていて、年収 1,000 万クラスに届く人もいると聞きます。

好き嫌いに関わらず、僕たちは AI というインフラの上で生きていくことになる。だとしたら、僕たちが考えるべきは一つだけ。

「この新しいインフラを、どうすれば自分の仕事や生活を豊かにするために使いこなせるか?」

この視点を持つことこそが、AI 時代を生き抜くために必要になってくるのかもしれません。

もちろん、AI の学習データに使われる著作権や、クリエイターの方々の権利については、現在も非常に重要で活発な議論がなされていると認識しています。そうした問題が早急に解決されて、誰もが気持ちよく AI を扱える日がくればいいと思います。

難しくない!怖くない!今日から始める AI とのお付き合い

「でも、やっぱり何から始めたらいいか…」

そうですよね。その気持ち、痛いほどわかります。だからこそ、僕が実際に使ってみて「これは!」と思った、初心者でも安心して始められる AI ツールをいくつかご紹介します。

大事なのは、「勉強する」と意気込むのではなく、「まず遊んでみる」ことです。

AI ツール名種別こんな人におすすめ&最初のステップ
ChatGPT文章生成 AI文章を書くのが苦手な人、アイデア出しに詰まりがちな人。
まずは「自己紹介の文章を考えて」「今日の夕飯の献立を 3 パターン提案して」など、身近なことから話しかけてみましょう。
Gemini文章生成 AIGoogle のサービスをよく使う人、正確な情報が欲しい人。
「〇〇(最新のニュース)について、小学生にもわかるように要約して」と頼んでみてください。その精度の高さに驚くはずです。
ImageFX画像生成 AI絵心はないけど、面白い画像を作ってみたい人。
「空飛ぶラーメン」「寿司に乗る宇宙飛行士」など、思いつくままのキーワードを入力して、AI のユニークな発想を楽しんでみてください。
Perplexity AIAI 検索エンジン知りたいことを効率的に調べたい人。
従来の検索のようにキーワードを並べるのではなく、「〇〇と △△ の違いを、メリット・デメリットの表で教えて」と、会話するように質問するのがコツです。

どうでしょう?どれも、まるでゲームみたいに始められそうだと思いませんか?

僕は「この言い回しどうもしっくりこない。もっと良い言い回しある?」とよく聞いています。これが毎回良いアドバイスが返ってくるんですよね。

最初は、AI が期待通りの答えを返してくれないこともあるでしょう。でも、それこそが AI と付き合う上での醍醐味なんです。「どう言えば、もっとうまく伝わるかな?」と試行錯誤するプロセスは、まるで新しい友達と仲良くなる過程のようです。

この「AI との対話能力」こそが、これからの時代を生き抜く上で、間違いなくあなたの強力な武器になります。

そして、そのうちに自分のお気に入りの AI が見つかると思います。

まとめ:15 年後、笑われる側にならないために

「ググる」

Google で検索するという意味のネットスラングですが、今後は、「チャトる(ChatGPT に聞く、の意)」や「パプる(Perplexity)」なんて言葉が標準化してくるかもしれません。いや、実はすでに AI 界隈では当たり前に使われている言葉です。

もう、そういう世界が始まってきているんです。

今、AI を使いこなせるかどうかは、まだ個人のスキルや興味の差でしかありません。実際、すでに当たり前に生活や仕事の中で AI を使いこなしている人も多いですが、まだまだ AI に触ったことがないという人もとても多いです。

しかしこれから先、AI を使うことが「当たり前」になった時、その差は「できる人」と「できない人」を分ける、決定的な断絶になります。

かつて僕たちが「メールの打ち方を知らない上司」を見て感じた、あの何とも言えない感情を、未来の若者たちから向けられる側になってはいけません。

AI を難しく考える必要はありません。まずは ChatGPT に「面白い冗談を言って」と話しかける、その小さな一歩からでいいと思います。今 AI を使いこなしている人だって、最初は恐る恐るそんな質問を投げかけることから始まったんです。

この小さな一歩が、15 年後のあなたを支える、大きな資産になるはずです。

最初は怖いかもしれない。でも安心してください。AI は、あなたが思っているよりもずっと優しく、そして驚くほど優秀なパートナーになってくれるはずです。

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